パニック小説
もしくは、Doomsday Novel

パニック小説というジャンルがあるのを御存知だろうか?
最近はとんと見られなくなってしまったが、映画とかで
パニック物と呼ばれる作品が流行っていた頃はよく出版されて
いたんだけど・・・。何故か、こんなに面白いのに、パニック小説の
ファンは少ない・・・という訳で数少ない収集家ってことかも (^-^;)>"
兎に角、私はパニック小説が大好きなのダ。
他に、ドゥームズデイ・ノヴェル、ディザスターノヴェル等とも呼称
されるかな・・・・。


局地災害物・自然災害物
ポセイドン・アドヴェンチャー
THE POSEIDON ADVENTURE
 ポール・ギャリコ
  早川書房
原作を読むと、映画はかなり描写がソフトになっていたのが分かる。
脱出者達の内の姉弟だが、姉はトイレに行き行方知れずになった弟を探しに行って、なんと別の生き残りの船員の一人に
レイプされてしまうのだ・・・σ( ̄◇ ̄;)  しかも弟は行方不明のままで、映画とは違う。 神父の描写も幾分異なっているが・・・
まあ・・・映画の方はジーン・ハックマンの強烈な個性が加味されていたので、一概には違うとも言えないでしょう。
原作はかなり長いので、映画より事細かに転覆したポセイドン号の中で何が起こったかを見る事が出来る。
映画の出来も素晴らしかったが、合わせて原作も読むと尚一層楽しめる事は間違い無し。
最後は感動しますよ(^-^)
映画化「ポセイドン・アドベンチャー」
ガラスの地獄
 タワーリング・インフェルノ
THE GLASS INFERNO
 トマス・N・スコーティア
 フランク・M・ロビンソン
  早川書房
映画化「タワーリング・インフェルノ」の原作2本の内の1冊
読了
そびえたつ地獄
THE TOWER
 リチャード・M・スターン
  早川書房
映画化「タワーリング・インフェルノ」の原作2本の内の1冊
読了
ヒート 地球が熱くなる日
HEAT
 アーサー・ハーツォグ
  ダイヤモンド社
「スウォーム」と並ぶハーツォグの傑作ドゥームズデイノヴェル。
昨今地球温暖化が声高に叫ばれているが、時代を先取りしたワケでは無く、実はもう随分前から、化石燃料の過剰消費は問題に
なっていたのダ! しかし、小説としては早すぎたかもしれない・・・今出版されていれば、もっと人々の目についたろうに、
ものが傑作だけに大変残念である。 
「スウォーム」の時と同じ様に確かな知識と分析、専門用語を敢えて多用する手法など、骨太な筆致に時間を
忘れて読み耽ってしまう事請け合いである。 内容は、化石燃料の過剰消費により、地球がどんどん温暖化して行って、科学者達の
分析では行く所まで行くと地球が金星状態になってしまうだろうと判断する。 ここでもまた専門家チームが組まれるが、「スウォーム」
の時と同じ様に、次第に脱落者等が出てくる。 生物パニックや急激な災害ものと違って、地球がだんだん熱くなって行くと言うのは
いきなりあからさまな被害が出てこないので、怒涛の展開を望む者には物足りなく映るかも知れないが、じわじわと襲う恐怖は
身近な起こりうる出来事であるし、突拍子も無い災害よりも理解し易い。 
アスファルトがグズグズに溶けるところを想像してみるといい。
一体最後はどう決着を付けるのか読んでてハラハラドキドキだったが、感動的な素晴らしいラストが用意されている。
今やまず入手出来ないだろうが、奇跡的に目にする機会があったら是非読んでみましょう!
ハーツォグの小説は「スウォーム」「オルカ」この「ヒート」にもう1冊「EARTH SOUND」という大地震ものがあり、これも「スウォーム」と
同様早川書房から出版される事になっていたらしいのだが、なんの事情かとうとう出版されずに終った・・・ハーツォグファンとしては
大変に残念である・・・・・何年も待ったし、早川に電話までしたんだがなあ・・・(−−;) ちなみにどこぞの出版社から、海外ノヴェル
の抄訳としてダイジェスト版が出た事が近年確認できたが、その本もいまや入手困難である。あーあ・・・昔書店で「EARTH SOUND」
の原語版ペーパーバックを見付けた時、読めなくても買っておくんだった・・・( ̄ω ̄|||)
凍結都市
ICE
 アーノルド・フェダーブッシュ
  廣済堂 
読了
ブリザード
BLIZZARD
 ジョージ・ストーン
  角川書店
読了
動く氷塊大陸
ICE!
 ジェイムズ・フォーリット
  集英社
読了
南極大氷原北上す
COLD SEA RISING
 リチャード・モラン
  サンケイ出版
読了
ダラスが消えた日
DALLAS DOWN
 リチャード・モラン
  扶桑社
読了
氷の帝国
ENGLAND FREEZING
 リチャード・モラン
  扶桑社
未読
氷河期を乗り切れ
EARTH WINTER
 リチャード・モラン
  扶桑社 上下巻
未読
原子炉大爆発
THE PROMETHEUS CRISIS
 トマス・N・スコーティア
 フランク・M・ロビンソン
  徳間書店
読了
湖底トンネル爆発!
BLOWOUT
 トマス・N・スコーティア
 フランク・M・ロビンソン
  新潮社
読了
原子炉崩壊の日
EPICENTER
 バージル・ジャクソン
  朝日新聞社
バージル・ジャクソンパニック小説三部作第一弾。 米国の原子力発電所の事故を扱った作品。
しかし、訳が悪く非常に読み難い・・・(^^;;;  被爆した職員の病状がリアルっぽく仲々迫真ではあるが、全体的にはさほど良い
出来じゃないかも・・・・。ラストは露出した炉心だったかに、ドーム状のフタをするのだが、まあ原子炉メルトダウンの危機にしては
随分局地的な話で、大規模災害とは言い難い。
SST 恐怖の不時着
SUPER SONIC
 バージル・ジャクソン
  朝日新聞社
バージル・ジャクソンパニック小説三部作のひとつ。コンコルドタイプの旅客機が事故で・・・事故と言っていも、計器盤にコーヒーを
溢して、故障し操縦席のサンバイザーが下りたまま上がらなくなってしまう・・・というのがネタだ!
SST機は高高度を飛行する為、強烈な紫外線から操縦席を守る機構として操縦席の正面ウィンドウにサンバイザーが下りるのダ。
コンコルドを観た事がある人なら分かるだろう。 つまり、そのバイザーが下りたままだと計器飛行しか出来ない・・・
有視界飛行が出来ないのだ・・・つまり燃料があって飛行してる内はいいが、着陸するとなると話は別だ。
最近はコンピューターが着陸までやってくれるみたいだが、この作品が書かれた頃は、着陸はパイロットの腕に掛かっていた。
バイザーが下りないまま着陸しなければならないとなると、側面の小さな小窓を頼りにしなきゃならなくなる。
実際パニックものとしては小規模ではあるが、設定が面白く、仲々読ませる。最後まで割りとハラハラ出来る。
ただ・・・・いまいち日本語訳が良く無くて、ちと読みづらいのは「原子炉崩壊の日」と同じだ・・・・。
翻訳小説は矢張り、翻訳家の力量如何にかなり関わって来るのだなあ・・・。
黒い海の怒り
RAGE UNDER THE ARCTIC
 バージル・ジャクソン
  朝日新聞社
近未来、原子力オイルタンカーが就航するという話だ。そのタンカーが自然を軽視していたが為に起こる不測の事故により
北海で沈没してしまう。当然船体の破損箇所から大量に重油が洩れだし、地球規模的な大災害へと発展していく。
・・・と、ここまでは非常に面白い発端なのだが、どうも進行具合が遅い。話の展開がこのネタならもっと面白い話になる筈なのだが
どうも物足りない。最後の解決はまあまあなんだが、それももっと感動的に書けた筈なんだがなあ・・・・ジャクソンものはいまひとつ
惜しいなあ・・・・。
ロンドン大洪水
DELUGE
 リチャード・ドイル
  サンリオ
洪水ものは書き方によって難しい面がある・・・・シーンが火事なんかに比べてダイレクトに伝わり難い・・・
この作品もちょっとそのきらいはあるが面白く読めた。ただ全体としては物足りないところもある。
テムズ川の関なんかが日本人にはわかり難いのも難点のひとつ。
ところで先日テレビでこの作品を映像化した「デイアフター」というのが放送されたが・・・ストーリー展開もキャラもイマイチな上に
音楽が酷くかなりダメな出来だった・・・・ちなみにこのリチャード・ドイルはかのサー・アーサー・コナン・ドイルの子孫である。
生き埋め
SLIDE
 ジェラルド・A・ブラウン
  サンケイ出版
大雨で郊外のスーパーマーケットが地滑りの被害に合い、居合わせた人々が刻一刻と土砂に埋まっていく建物からいかに脱出
するか・・・と言うのがメインテーマの局地的パニック小説である。なんとか脱出しようと試みるも悉く失敗・・・最後に彼等が考えた
方法は?・・・地味な方法なんで、あっと驚く展開を期待している読者には不向きかもしれないが、逆に実際にはこういう方法が
最後に効果的なのかも・・・とも思わせる。
原子力衛星が落ちてくる
SKYFALL
 ハリー・ハリスン
  徳間書店
読了
ヘルメス 落ちてくる地獄
THE HERMES FALL
 ジョン・バクスター
  角川書店
読了
0−8滑走路
FLIGHT INTO DANGER
 アーサー・へイリー
 ジョン・キャッスル
  早川書房
読了
大空港
AIRPORT
 アーサー・へイリー
  早川書房 上下巻
読了
映画化「大空港」エアポートシリーズの原点。
101便着艦せよ
RANDOM TRACK TO PEKING
 オースチン・ファーガソン
 文芸春秋
読了
超音速漂流
MAYDAY
 トマス・H・ブロック
  文芸春秋
読了
映像化「フライトパニックSOS 超音速漂流」
亜宇宙漂流
ORBIT
 トマス・H・ブロック
  文芸春秋
読了
ジャガーノート
JUGGERNAUT
 アル・ハイン
  早川書房
読了
映画化「ジャガーノート」
原潜919浮上せず
EVENT 1000
 ディヴィッド・ラヴァリィ
  早川書房
読了
映画化「原子力潜水艦浮上せず」
ケネディ空港着陸不能
58 MINUTES
 ウォルター・ウェイジャー
  二見書房
映画「ダイハード2」の原作とも言える作品。ちゃんと映画のクレジットにも出て来るので今度観る時見て見てちょ♪
こちらの原作は当然映画と異なるのだが・・・そもそもこの原作を元に「ダイハード2」のマクレーン刑事ものにしているので、
小説の方の主人公はテロ対策専門の刑事である。キャラも別人なので、「ダイハード」を求めて読むと違和感があるかも。
テロリストの描き方も大分違っているが、空港の機能を麻痺させて、上空の旅客機を孤立させてしまうところは同じで、
テロリストの憎々しい感じも程良く、そこそこにサスペンスを盛り上げてくれて楽しめる一編になっていると言えよう。
上空の旅客機に乗っている人質達の描写が全く無いのが残念だが・・・主人公の刑事の幼い娘が乗っているし・・・まあ、短い
ページ数でやるには焦点を全て地上のみに絞った方が成功だったのだろう。
メルトダウン
MELTDOWN
 マックス・マーロウ
  東京創元社 上下巻
読了
フェイス!
HER NAME WILL BE FAITH
 マックス・マーロウ
  東京創元社 上下巻
読了
大洪水
WHERE THE RIVER RISEES
 マックス・マーロウ
  東京創元社
未読

爆発の臨界

 田中光二
  角川書店
読了
東宝映画「東京湾炎上」原作


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