
外国物
|
「ブリジンガメンの魔法の宝石」と「ゴムラスの月」はシリーズで、 私が最初に読んだハイ・ファンタジー。20世紀のイギリスに実在する場所に魔女や魔法使い、 小人が現れて、太古からの戦いを続けるという、別世界物とはまた違った面白さがある物語で、 コリンとスーザンという二人がウィルムルズロウという町に遊びに来るところから始まる。 そこで続く戦いに二人が巻き込まれてしまうのには理由があった。 スーザンが身に付けていた宝石こそ、昔魔法使いのキャデリンが不注意で無くしてしまった 『炎の霜』という魔法の宝石で、暗黒の魔王ナストロンドが再び戦いを挑んできた時に備えて、 『丘』の中で不老不死の眠りについている騎士達を目覚めさせる力を持った石だったのだ。 ・・・と、ファンタジー好きには堪えられない設定で、一気に読んでしまった。少々訳に古臭さが あるのが難点だが、それを補って余りある展開の面白さ・・・・。 特に、コリンが小人のフェノデリーと『丘』の地下の洞窟を通り抜けるシーンでは、 本当に手に汗握ってしまった。 こういう作品では、どれでもそうだが、やはり絶対悪の存在があるからこそ、正しい者の存在も 生きてくる。闇の魔王は静かに、だが確実に人々を取りこみ、その力を蓄えている。 その為には、人々が助け合い力を合わせて努力する。 正しい心を強く持って悪に立ち向かおう!・・・そんなことを言いたかったんだろうなー。 そういう正義を愛する心が実は私はとても、好きなのだ。やっぱ年がばれるな(笑)。 「ゴムラスの月」は続編で、今度はスーザンがブロラハンという古代の怪物に取り憑かれてしまう。 スーザンを救う為、コリンはダニューの子オールバナック、いぼ小人のアサカー、そして 魔法使いのキャデリンの助けを借りてモサンと呼ばれる魔法の葉を取りに行く。 それに伴い別の事件も進行していく。魔女のモリガンの暗躍・・・そして、ゴムラスの宵に甦る 死の狩人、スーザンが知る古い魔法と新しい魔法の関係。二人の兄妹の成長を見せながら ストーリーは又、私達を魔法が息づく世界に誘ってくれる。 今回のテーマは古い魔法と新しい魔法の関係だ。 その事は「高等魔法は理性で創られました。が、古い魔法は事物の一部なのです。 なにかの目的のためにあるのではありません」という台詞に集約されている様に思う。 この考え方は私のファンタジー感にかなり影響を与えた。兎に角、この2作と 「エリダー」は私の原点かもしれないなー。そろそろ、またファンタジーを描かなくては。 --------------------------------------------------------------- 「エリダー」はフィンドホーンと呼ばれるユニコーンをテーマにした話で、マリブロンという謎の 魔法使いによって滅びかけているエリダーを救う為に呼ばれたローランド少年の物語だ。 エリダーでは、こちらの側の人間の強く思う気持ちによってなんでも思いのままに作り出せる。 筋的にはエンデの「はてしない物語」と同タイプの物で、やや、展開にだれる点があるが 読み進む内に気にならなくなってくる。「類無き乙女をのぞき、何人も我に手を出すな」 という一文は、私のライフワークになってる80ページを越えるあるファンタジー漫画の基に なったものだ。仲々描き進まないけど、そろそろまたぞろ虫が疼き出してきたし 暇を見つけて描いてかなないとなー。 ------------------------------------------------------------------- 「ふくろう模様の皿」は・・・「マビノーギオン」をもとにして書かれた話である。 3人の少年少女が主役で、それにウェールズのとある谷の一帯で起こる事件が絡むのだが・・・ 実際問題として、始めのうちはちょっと面白そうで、興味深く読み始めたのだが・・・・・・ いかんせん・・・コリンやスーザン・・その他のキヤラクターに比べて登場人物の魅力の乏しい 事甚だし過ぎる・・・と・・・というか、はっきり言ってしまって3人を含む全体の登場人物が かなーりイラつかされる人格ばかりで、有体に言ってファンタジーのキャラとしては不愉快な 性格の人物ばかりなのダ!しかもそれぞれのキャラに深みが無く、読み進んで行く内に 段々読むのが苦痛になっていってしまった。更には、肝心のエピソードにさっぱり入らず ただ、ベージを悪戯に浪費してしまい、最後は全く盛り上がらないまま終ってしまった。 前3作の出来が良かっただけに非常に残念である。 |
||
| 「ブリジンガメンの魔法の宝石」 THE WEIRDSTONE OF BRISINGAMEN 「ゴムラスの月」 THE MOON OF GOMRATH |
評論社 |
||
| 「エリダー」 ELIDOR |
評論社 |
||
| 「ふくろう模様の皿」 THE OWL SERVICE |
評論社 |
||
|
|||
| ≪プリディン物語≫ 「タランと角の王」 THE BOOK OF THREE 「タランと黒い魔法の釜」 THE BLACK CAULDRON 「タランとリールの城」 THE CASTLE OF LLYR 「旅人タラン」 TARAN WANDERER 「タラン 新しき王者」 THE HIGH KING |
評論社 | ||
| 「猫ねこネコの物語」 The Towncats And Other Tales |
評論社 | ||
| 「人間になりたがった猫」 The Cat Who Wished To be A Man |
評論社 | ||
| 「木の中の魔法使い」 the Wizard In The Tree |
評論社 | ||
|
|||
| ≪指輪物語≫ THE LORD OF THE RINGS 「旅の仲間」上、下 THE FELLOWSHIP OF THE RING 「二つの塔」上、下 THE TWO TOWER 「王の帰還」上、下 THE RETURN OF THE KING |
評論社 | ||
| 「ホビットの冒険」 THE HOBBIT |
岩波書店 | ||
| 「シルマリルの物語」上、下 |
評論社 | ||
| 「トールキン小品集」 | 評論社 | ||
|
|||
| 「砂の妖精」 FIVE CHILDREN AND IT 「魔法の城」 THE ENCHANTED CASTLE 「火の鳥と魔法のじゅうたん」 THE PHOENIX AND THE CARPET 「魔よけ物語り」上・下 |
学研 岩波書店 講談社 |
||
|
|||
| ≪ナルニア国物語≫ 「ライオンと魔女」 THE LION,THE WITCH AND THE WARDROBE 「カスピアン王子のつのぶえ」 PRINCE CASPIAN 「朝びらき丸 東の海へ」 THE VOYAGE OF THE DAWN TREADER 「銀のいす」 THE SILVER CHAIR 「馬と少年」 THE HORSE AND HIS BOY 「魔術師のおい」 THE MAGICIAN'S NEPHEW 「さいごの戦い」 THE LAST BATTLE |
岩波書店 | ||
|
|||
| ≪オズ シリーズ≫ 「オズの魔法使い」 「オズの虹の国」 「オズのオズマ姫」 「オズと不思議な地下の国」 「オズへつづく道」 「オズのエメラルドの都」 「オズのつぎはぎ娘」 「オズのチクタク」 「オズのかかし」 「オズのブリキの木樵り」 「オズのリンキティンク」 「オズの消えたプリンセス」 「オズの魔法くらべ」 「オズのグリンダ」 |
早川書房 | ||
|
評論社 | ||
| 「赤い月と黒の山」 RED MOON AND BLACK MOUNTAIN |
|||
|
|||
| 「魔法半分」 HALF MAGIC 「魔法の湖」 MAGIC BY THE LAKE |
早川書房 | ||
|
|||
| 「はてしない物語」 DIE UNENDLICHE GESCHICHTE 「モモ」 MOMO |
岩波書店 | ||
|
|||
| ≪ゲド戦記≫ 「影との戦い」 A WIZARD OF EARTHSEA 「こわれた腕環」 THE TOMBS OF ATUAN 「さいはての島へ」 THE FARTHEST SHORE 「帰還」 TEHANU The Last Book of Earthsea 「アースシーの風」 |
岩波書店 | ||
| 「始まりの場所」 | 早川書房 |